今週のお仕事について
太田 1週間お疲れ様でした。ここ最近は、(株)海士では誰と一緒に働いてますか?
森迫 おつかれさまです。最近は播摩さん、青山さん、石原さんと話している時間が多いです。それはオンラインも含めて、になります。
太田 詳しくひとりずつ聞いていいですか?
森迫 はい。まず播摩さんですが、業者の方の朝食対応を一緒に行ってます。それが朝6時から9時までの、だいたい3時間くらい。
太田 たしかに最近よく一緒に行動してる気がする。
森迫 実際にそうですね、あとは先週に(株)海士の職員全員に対して実施された研修にも参加させていただいたのですが、たまたまグループが一緒で、播摩さんの考えに触れて、そこから親しくなったというか、話しやすくなった経緯があります。
太田 まだ働き始めて1ヶ月程度だから、どんな人と一緒に働いていくか知る機会があるのは嬉しいね。
森迫 それは本当にそうですね。次に石原さんですが、基本的にジオパークに関する業務になるのですが、僕が同席させていただいている業務のなかではジオパークの広報についての打ち合わせが一番多いです。あとはスタッフが「ジオパーク」について理解したり魅力を感じるために、僕自身もジオパークの勉強をしながらにはなりますが、資料をまとめてみたりしています。
太田 たしかに僕もジオパークという言葉そのものは知ってるけど、ジオパークに住んでいながら自分には浸透している言葉ではないという自覚がある。だけど、観光の視点からも見るととても重要な情報だよね。
森迫 時間はかかりますが、やれることをひとつずつ進めていきたいです。
太田 ”愚直”にね。(青山さんの最近の口癖)
森迫 はい。そして青山さんは、ホテルのグランドオープンに向けて動いておられるのですが、今まさに、マネージャークラスの人たちとEntôのブランドの最終的な落とし込み方について詰めてるところで、青山さんの負担が少しでも減らせるように、全体の作業が少しでも捗るように手伝いをしてます。
太田 つまるところ、議事録を取りまくってるっていう理解であってる?
森迫 議事録を取りまくり、要約しまくったりしてます。
太田 青山さんが言ったことをなるべく視覚化、言語化なりして分かりやすくする。見据えてるのは、それをさらにスタッフ全体で共有・アップデートしていくことだよね?
森迫 そうです。スタッフの方たちがEntôのブランドをより体現しやすくするのが青山さんの仕事で、僕はそれをどう関わったら達成できるのかを考えてるところです。
一番楽しいこと
太田 (株)海士で働きはじめて、どんなところが一番楽しい?
森迫 島やスタッフのためにどうすればいいかを考えている青山さんのために、自分は何が出来るかっていうのを考えるのが楽しいです。
太田 愛がすごい…。それはつまり、青山さんに関わることで自分も島や会社のように大きな単位で広く関われているような気持ちが得られるっていう理解でいいのかな?…っていうこととは違う?
森迫 そう思います。大きい単位も小さい単位も全部一つに繋がっているものなので、島や会社を自分と重ねながら、どうやったら貢献できるかを考えられているのが、とても嬉しいです。
振り返り
太田 この1ヶ月振り返ってどうでしたか?例えば、思い描いていた理想と現実の違い。その中でも気づいたラッキーなことだったりとか。
森迫 今までで一番恵まれてる環境だなって思いました。
太田 詳しく聞かせて。
森迫 恵まれてる理由として3つあります。1つは、「何のために仕事をするか」が共感できている。Entôのプロジェクトが島の経済を回しながら、かつ自然環境を大事にし、持続可能な島を本気でつくる為に動いているから。まさにそのタイミングで関われていることが、まずとんでもなく恵まれた環境であると感じてます。
太田 仕事の意義がある、ということか。
森迫 そして二つ目ですが、圧倒的に人に恵まれている。立場関係なく、このプロジェクトを本当に良くしたいって言ってる人達が集まっている。こんな素敵な目標を持った人たちと話したり動いたりできるのが、とても嬉しいです。
太田 確かにね。
森迫 三つ目は自分を生かして働けていること。
太田 つまり、どういうとこ?
森迫 経験です。これまで、仕事でなんとかしたいって思い、本当にいろいろ動いていたけれど、なかなか思うようにいかないことも多かった。そういう歯痒さの中で改善してきたこととかが自分の中に蓄積されていて、今そんな自分が生きていると感じています。そういう経験を支えてくれた方々には、本当に心から感謝をしています。
太田 仕事への向かい方、のことなのかな。
森迫 はい。それと、教科指導で生物の科目を通して伝えていたことが、ジオパークと関連があったことも自分の中では面白い発見でした。 普段から考えていたことが、まさにジオパークとして体現したいことと繋がっていたんだっていう気づきだったり。
太田 つまり、高校教師のときに得た経験知識が?
森迫 はい、これまでやってきた中で自分が大事にしたいと思ってきたことがここに繋がっています。自分が大切にしたいことは何かを考え、学びながら、学校や生徒に不器用に向き合ってきました。そこで身についた知識や、人との接し方、自分との向き合い方を今ここで生かしたいと思えています。
太田 垢がとれたというか一皮剥けたというか。森迫さんに対する最初のイメージは何が何でも島前の教育に関わってやるんだ!っていう意志を強く感じてたけど今の話って、森迫さんがやりたかった教育って、実は教育の世界じゃないほうが、やりたかったことができるんじゃないかっていう可能性に気づいた話だって思った。教育という言葉そのものが、自分で自分を閉じ込めてしまってた部分はあるのかもしれないって。
森迫 でも実はそれを手放してこの流れに乗るのはとても勇気がいることで、だからこそ今の状況になって幸せだなと思います。
太田 腑に落ちた。
森迫 ただ、今の状況で恵まれてるなと思うんですけど、それが自分の力によって得たのではないなっていう。
太田 そんなことはないでしょ。
森迫 飛び込んでいくことは自分のよさだと思います。青山さんにも背中を押していただいて勇気をもらえたんですけど、本当に大事なのは飛び込んだ後だと思うので。
太田 それはそうだね。
森迫 なのでとりあえず飛び込みまくっているので、どんどん仕事が楽しくなっています。寝てらんない、寝てるけど。
太田 (その割には眠たそうな目をしている…)
海士町複業協同組合の職員への思い
太田 今は脳みそがグッと(株)海士へ向かっているけど、ほかの事業所で勤務する海士町複業協同組合の職員に対して思うことはありますか?
森迫 この組合にいるから面白くなれるんだっていうのを、みんなで腑に落としていきたい。
太田 いいね、みんなで作っていこう。
森迫 ただ、他の事業所にいる職員と(株)海士での働き方と全然違うので、自分はこれでいいのかって不安に思う気持ちもあります。ちょっとした焦りというか。
太田 この働き始め、一つ目の事業所っていうのは、比較できる経験がないし、不安や焦る気持ちはすごくわかる。だけどこればかりはどうしようもないから、焦るなとも言えない。最近なんか思うのは、焦ってるときしか焦る感覚は味わえないから、だから、うーん、うまく言えないけれど、長い気持ちで焦ってくれって思ってる。小さな焦りを長く持つみたいな。
森迫 僕の気持ちもそれに近くて、海士町複業協同組合の職員と、現場のためになりたいって話すんですけど、それは自分がどう働くかってことでしかない気がしていて。今なんとかやんなきゃっていうのは違和感があるし、違和感のあるエネルギーをそこに注ぐのはあまりいい未来が想像できない。だから、関係性をつくるのも、仕事をするのも、今は全部一緒に力を入れたい。自分の1年後の計画も考えないとなっていう多少の焦りはあるけど、そういう気持ちではいます。
太田 素敵だ。これは僕が実際にこの働き方をしてきたからっていうのもあるんだけど、無意識に”先輩”になってしまって、自分の物差しで職員を見るとどうしても個性を見落としてしまう。だから「前例のない働き方」っていうのを職員全員が本当に自覚して欲しいし、そうやって様々な現場でそれぞれの関係性を構築していったらこの組合は本当に面白い組織になってると思うんだよね。
次の1週間、どうしたい?
太田 次の一週間、どんな一週間にしたいですか?
森迫 今の立場で出来る動き方を明確にしたいです。これまでは感染症対策とか、ある程度目の前に目標が見える状態だったんですけど、いよいよブランドが固まってきて本当に面白いタイミングなので、青山さんや石原さんのまさにぎらついている状況に今以上に食らいついていきたいと思っています。あとそれと、どうやったら助けになるのか、いくつか思うことがあるので次の週報でそれを報告できればと思います。
太田 雑談を増やすとかは?
森迫 雑談を増やすのはこの一週間も意識してました。もっと増やしたいですね。
太田 そうでしたか、失礼しました。