AMU JOURNAL

はたらく人の声

今週から肥育の仕事をさせて貰っています。

2021.11.11

書いた人 ― 高谷 朱理
はたらき先 ― 潮風ファーム

今週どうでしたか?

畜産と一括りに言っても繁殖と肥育に別れていることを潮風ファームに来て初めて知りました。

繁殖は牛を産ませる、肥育は食べる牛を育てる。ざっくり言うとこの二つが畜産の仕事です。

10月は繁殖の仕事をお手伝いさせて貰いましたが、今週から肥育の仕事をさせて貰っています。

繁殖の仕事に徐々に慣れて来て出来る事が増えてきた中で肥育に移ったのは少し寂しい気持ちもありますが、育てた牛が肉になる、命を頂くことへの考え方が私の中でどう変わっていくのかを知れるいい機会を頂いたなと思います。

両方畜産に変わりないけど、繁殖と畜産で仕事内容も扱い方も全く異なります。

例えば牛を移動させる時、繁殖は前に紐を引く人がいて後ろにも人がついて牛を歩かせるのに対し、肥育では後ろにはなるべく人がいない方が良かったりするとか。

牛を相手にしている事には変わりないのに教わった事が活かせない。

改めて生き物を相手にする事がどれだけ難しいかを感じました。

(人間同士にも言える事ですが…)

最近どうですか?

少し前にコロナ禍における飲食店の人数制限緩和になった事によりCASの決起集会(飲み会)に呼んで頂きました。

私の中でのCASの皆さんに淡々とそしてテキパキと仕事をこなすイメージしかなかったのですが、そのイメージが180度変わりギャップ萌えで釘付けにさせられました。

大人数で何かをすると、どうしても馴染めなかったり楽しめない人が出て来てしまう問題に直面する経験が、21年間しか生きていない私にもありました。

あの日の飲み会にはそれが無かったし、本当に全員が楽しんでいた。

それが本当に凄いなと思いました。

楽天のスーパーセールの期間は本当に忙しくてあの人数、全て手作業でどうにか間に合わせた事が奇跡だと思っていたけど、今回の飲み会が乗り切れた理由を教えてくれたように思います。

皆さんどれだけ飲んで酔っ払ってはっちゃけていても、気遣いは忘れてなかった。

全員が全員に気遣いを忘れていなかったからこそ、あんなに楽しい飲み会にできたのだと思います。

その姿がとてもかっこよくて私もどんな状況でも気遣いを忘れない人になりたいなと思いました。

今週驚いた事は何ですか?

潮風ファーム初日に牛に種付けをする過程で肛門に手を入れるという特別な経験をさせてもらい、ここ最近で何よりも感動した出来事だったのですが、繁殖の仕事の最終日に産道から子宮の入り口になる小さな穴を見せて貰いました。

ボールペンの芯くらいの細い穴がありそこにピンポイントで種を付ける。

それだけでも十分凄い事ですが、何より驚いたことはその細い穴は見て探さず肛門から手探りで探しあてるという事でした。

種付け自体はいつも5分かかるかどうかで、いくら慣れだと言われても超人技だなと思います。当たり前ですが種付けをすれば確実に妊娠するわけではない。

人工的に妊娠させる難しさもそうですが、自然の流れで生命が誕生する事がどれほど奇跡的な事かを頭ではなく、身を持って感じました。

この記事のはたらき先

潮風ファーム について

書いた人

高谷 朱理

奈良県出身。大阪の映像の専門学校を卒業後、新卒で組合へ。海士町で色んな仕事をして、経験を積みたいと思っています。

高谷 朱理 の他の記事