AMU JOURNAL

はたらく人の声

海と太陽と共に暮らす

2023.1.21

書いた人 ― 雪野 瞭治
はたらき先 ― 海士いわがき生産

今年1年を振り返って

今年も最後ということで今年の1年の振り返りも兼ねてみたいと思います。

複業という視点でこの1年をぐるっとまとめると“海と太陽と共に暮らす“というテーマだったかなと思います。

“海”の部分から思い出してみます。

まず、今年の初めに大敷(定置網)の現場へと再び戻ったところからがスタートでした。
そのタイミングでは、私以外に新たに入った複業メンバーと一緒に現場で勤務でしたのでとても新鮮な感覚でした。
漁師も2週目ということで、当時の写真を見返してみると、寿司を握っていたり刺身を上手に盛っていたりと少し小慣れた写真があって懐かしいです。

1週目では危なくてできなかったような業務も任せていただいて、少しは力になれたのではないかなと納得できる瞬間もあって心身ともに豊かだったと思います。

3月いっぱいまでの勤務でしたが、その後、いわがき生産株式会社の現場へと移りました。
ここでも、海士町の海に備え付けられた筏の上や船上を行き来したり、岩牡蠣の稚貝を海に沈めたりと、海尽くしの日々を味わっていました。
繁忙期である3~5月の間で当初は計画しておりましたが、結局、12月の段階でも岩牡蠣生産の仕事に携わっております。

CASで販売している主力商品を思い切って2つあげると寒シマメ(の肝醤油漬け丼)といわがき春香ではないでしょうか。
寒シマメは大敷の現場で直接見てきましたが、もう一つの名産品である“いわがき春香“にも直接関われたのは、CASの業務を現在でも行なっている身としては非常に有意義な経験でした。
当初、岩牡蠣の出荷の段階での磨き作業が主たる役割だったのですが、思いがけず1年を通じて関われたことで、本当の意味での生産から出荷までの一巡を自分の目で見れたことは財産です。

今では、島に知人や島外のお客さんが来る時には、熱を持って語らずにはいられなくなりました。

さらには仕事のために、船舶免許も取得して実際に船の操船を行なって仕事をしたりと、「ほんの少しだけど海士町の海に近づけた」と感じました。

“海と太陽と共に暮らす“の中でも、太陽というフレーズが突然出てきましたよね。
この太陽には、大きく分けて(1)太陽光発電と(2)畑の意味がそれぞれ込められています。

ご存知の方もそうでない方もいるかと思いますが、海士町では2022年の1月に新たに交交株式会社という会社が出来ました。
ここでは、“the RETRO FUTURE”を軸に、様々な事業を通して、より豊かであたたかな「交わり」をつくるコンセプトを掲げております。
個人的には、“つながり“を含めた未利用資源の活用を目指す会社と位置づけております。

*交交株式会社 / the RETRO FUTURE:https://como-gomo.com/#start

今年は、こちらの交交株式会社でも業務を行なっていました。
具体的には、太陽光発電を海士町にも導入するということで、現在の海士町の港の屋根やAMU WORKER御用達の勤務場所でもあるCASやホテルの上などにも既に設置されております。
未利用資源の中でも、太陽のエネルギーという資源を有効活用しようということですね。
こちらは、プレスリリースでも出ているように環境省事業に応募して採択が決まった肝入りのプロジェクトです。

この交交では、上記の事業に関する様々な業務に携わらせていただきました。
特に昨今の電気代の高騰などで経営面で頭を抱えていた事業所も多く、前職で学んだきた知識や職能を少しでも活かせられないかと思っていた部分に加えて経営に苦悩している顔が容易に想像できていたので、このタイミングで設備導入を行えたのは本当に良かったです。

こうした仕事では、多岐に渡る人と関わって仕事が進んでいきますが、その中でも、電力会社の方々の並々ならぬご尽力には本当に頭が上がりませんでした。
島や地方というキーワードが頭にあったので一次産業を通じて新しい世界を学ぶことを意識していましたが、こうした形で陰ながら島を支えている仕事や人々に触れられたのは世界が広がって本当に良かったです。

ちなみに、畑は字の如くで、ビニールハウス栽培でひたすらきゅうりやミニトマトを育てて出荷した話になります。
こちらは、Twitterでひたすら呟きまくってたのでこちらでは割愛させていただきます。笑

そういえば、講演やイベント等へのお声かけも少しづつ増えてきた事もあり、この仕事や海士町の魅力を発信していく役割も少しづつ増えてきました。
そうした場で、ふるさと納税や通販サイトで売られている商品がいかに素晴らしいかというのを、ついつい話してしまうのですが、「本当に買って良かった!」とか「海士町に今度行きます!」という声を後で聞くととても嬉しくなる自分がいました。
とりあえず、友達にはふるさと納税をせっかくするなら、絶対に海士町がいいよと案内しています。笑
改めて、この島が好きで沢山の人に知ってほしいんだなという事に気づけた1年だったかなと思いました。

来年の抱負は、岩牡蠣の磨きにかけまして、今触れている職業や職能に磨きをかける事でしょうか。
海士町に移住してきてから、それまでの人生ではとても想像もできなかった領域に挑戦したり、手を広げてきました。
1つ1つをみると非常に粗々なので、それぞれを丁寧に仕上げていけるようになりたいです。

来年もよろしくお願いいたします。

この記事のはたらき先

海士いわがき生産 について

書いた人

雪野 瞭治

兵庫県出身。海士町複業協同組合のAMU WORKER第1号。技術と科学の視点から、興味の赴くままに挑戦してます。

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