AMU JOURNAL

はたらく人の声

タイミングよくお話を頂き、働く機会を得て、有難いなと思っています。

2023.7.28

書いた人 ― 青木 美伽

仕事のこと

2,3月でナマコの時期が終わり、4月~「海士乃塩」を製造している「海士御塩司所(あまおんしおつかさどころ)」へ週3日、港近くにある飲食店「きくらげちゃかぽん」へ週3日、働いています。

今月の週報では「海士御塩司所」について書きたいと思います。
調味料の一つとしても、大切な「塩」は、海水を煮詰めて作られていると知ってはいたけれど、実感を伴った理解がなかったので、不思議で興味がありました。今回タイミングよくお話を頂き、働く機会を得て、有難いなと思っています。
海士にある塩づくりの事業所「海士御塩司所」では、約1200本の竹で組み立てた枝条架に海水を流すことで水分を飛ばし、塩分濃度を濃縮しています。
海士の海水は塩分濃度が約3%で、枝条架塩田で塩分濃度が約10~12%まで濃縮されます。濃縮された海水は、大きな平窯に入れて、薪で炊いて煮詰めていき、塩を取り出しています。そして、ヒノキで作られた脱水層に、数日かけて脱水し、天日棟で天日干しします。そうやって出来た塩は、最終的に不純物がないか検品し、袋詰めされて出荷しています。

今の時期は、不純物を取り除く検品や出荷の為の袋詰めが主な仕事です。
検品は、真っ白な紙の上に、ローラーを使って均等に広げて不純物を取り除いていくのですが、まずその紙の上に、塩を均等に広げることが難しいです。塩工場で働かれている方の、手元と音を、何度も何度も真似て、最近ようやくコツが掴めてきました。ほんの少しの力加減や塩の乾き具合によっても、広がり方が変わるので、繊細な作業であり、また忍耐力が必要だなと感じています。

驚いたこと

初めて天日棟で塩を干す作業をさせていただいたとき、水分を含んだ重たい塩の塊が、天日棟で手をかけながら干していくことで、滑らかできめ細やかな塩になっていくのを見て、驚きました。
塩の塊を少しずつ分けて広げて干し、その日の天気や湿度を見ながら、また手の感触で湿り具合を見ながら、何度も手入れをして干すことで、ようやく綺麗な塩になっていく。15分~1時間置きに様子を見に足を運び、塩の状態を見て、手入れを行う様子が、米糀づくりに似ているなと思いました。
普段、当たり前のように使っている「海士乃塩」は、こんな風に人の手をかけて出来ていること、そのときの天気や状態を見ながら、綺麗な塩へと育てていくのだと知り、驚きました。

*海士乃塩:http://www.ama-cas.com/shio/

最近どうですか?

小さな畑をお借りして、少しずつ仕事の合間の時間を使って、今年はカボチャや甜瓜を育てています。田んぼは、ナマコの事業所で出会った方々と一緒にさせていただいています。働いた先の事業所で知り合った方と、こうした形で繋がっていられることが嬉しく、恵まれているなと感じます。
田ぐるまを使って田んぼの除草をしたり、草刈りしたり、夏は暑いけれど、育てる楽しみや一緒に出来る人がいるから、頑張れるなと思います。
お借りした畑は元々耕作放棄地で石が多く、ネキリ虫が大量に発生していたりと、色々と問題はありますが、失敗しても作物が丈夫に育つ土を作っていくところから、慌てずに向き合っていきたいと思っています。
最近は「緑肥」を使った土づくりが見直されているというのを知り、そういったノウハウも勉強して活用していこうと考えています。

書いた人

青木 美伽

三重県出身。2022年6月に放送された「ガイアの夜明け」を見て、海士町複業協同組合を知る。AMU WORKERとして島の人と働く姿に憧れて移住を決意。

青木 美伽 の他の記事