AMU JOURNAL

はたらく人の声

今現在、私は「海士いわがき生産株式会社」で努めております。

2022.9.22

書いた人 ― 雪野 瞭治
はたらき先 ― 海士いわがき生産

今週の業務

今現在、私は「海士いわがき生産株式会社」で努めております。このいわがき生産では、これまでにCASなどでも販売してきた”いわがき春香”というブランド岩牡蠣を主に取り扱っております。ちなみに、私は複業組合に入って2箇所目の事業所がCASです。

CASの主流の商品の1つでもあったことから、生産の現場にいつか関わりたいと思っておりました。

その流れもあり、実際にお客さんの元に届ける”いわがき春香”の生産に関われていることは独特の喜びを感じます。岩牡蠣生産の現場では、海上で岩牡蠣を吊るしにいく作業をしたり、工場で岩牡蠣をロープに固定したりと、一つの職場ではありますが、多種多様な仕事の組み合わせからできております。

延々と一つの仕事に集中するような業務もあれば、工場や海の上を行き来したりとマルチタスクな業務もあり、自分の特性が活かしやすい現場だと感じます。この時期の現場では、主に稚貝を種苗センターから受け取り、それを海に一定期間沈めて大きくしたものを、再び個別にバラしてロープに固定する”通し”という作業を経て、再度海に沈めにいくまでの工程を繰り返しおこなっております。海に岩牡蠣を沈めるにあたり、例えばある程度まで大きく育った岩牡蠣を、カイデライトと呼ばれるセメントのようなものでロープにひたすら固定するような作業もあります。

ひたすら、このセメントを練って岩牡蠣に盛り付けたら岩牡蠣を重ねて固定するなどパティシエのような1日を過ごす日も多々ありました。

ある意味、色々なことをやってみたいという人には向いている現場かもしれません。この現場ならではだなと感じるのは、やはり筏(いかだ)の上での作業です。

成長段階に応じて、海上一面にある筏に岩牡蠣を吊るしにいったり、引き上げ作業をおこなったりする作業が個人的には特に面白味を感じます。

筏は海上にありますので、不慣れなうちは、立つだけでも怖く、さらには姿勢を保つだけでも無意識のうちに全身の筋肉を酷使しています。

そのため、筏の上での作業があった日は、家に帰ると分かりやすいThe 疲労といったものを感じることができます。

大変な仕事ではありますが、その夜はぐっすりと眠れるので、大変なりに筏で作業がある日は、とても楽しみにしています。

はっきりと自覚できるくらい体幹が鍛えられており、身体が資本でもある一次産業で汗を流して一生懸命働くことの嬉しい副産物を感じれるのは改めて魅力を感じます。海というと、私の海士町での海での初仕事は大敷(定置網)が最初でした。

その現場で、船の上での動き方や離着岸の際のロープ取り、他にもロープワークなどなど、全く同じというわけではありませんが、複業を通じて行った現場の経験が活きていることは感慨深いです。

一番驚いたこと(仕事と暮らし)

自分自身も食べて感動したあの”いわがき春香”がいかに手間暇かかって育てられてきたのかということでしょうか。

重ねていうと、生産者側の視点で見た時に、店頭での価格にもびっくりします。

あんなにも大変なのにこの価格なのかと驚きます。

安くて良いものはありがたいものだと消費者としては感じますが、生産者側の視点に立ったときには考えさせられるものがあります。

最近どうですか(暮らし)

実は、数ヶ月前から農業に興味を持ち、小さいですがビニールハウス内で作物を育て始めました。

作物としては、きゅうりとミニトマト、そして個人的に好きなニラを取り扱っています。

農業普及員の方の指導をもらいながら、丁寧に育てています。そして、つい先日、量自体は少ないですが出荷を始めました。

店頭にきゅうりが並んだ瞬間は本当に感動でした。そして、日々、納品した作物は基本的に完売しているようでそれも嬉しいです。そんなこんなで、農業ももっと気合いを入れて頑張りたいなと思うようになってきています。

この記事のはたらき先

海士いわがき生産 について

書いた人

雪野 瞭治

兵庫県出身。海士町複業協同組合のAMU WORKER第1号。技術と科学の視点から、興味の赴くままに挑戦してます。

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