AMU JOURNAL

はたらく人の声

複業という組織が海士町で1周回ったのだなと感じました。

2022.1.13

書いた人 ― 雪野 瞭治
はたらき先 ― 飯古定置

今週の業務

新年もあけて、1月6日が仕事始めでした。

新年の挨拶をしつつ、今年の一番はじめは沖に出て漁を行いました。この日は、驚くことにシマメがぼちぼち入っていました。シマメ(※スルメイカの方言です。)の他にも、青魚もいたりとバランス良く色々なお魚が採れた初漁でした。

初仕事を一緒に過ごせたというのが、私の中では少し感慨深いものがあり改めて島に、漁師に、そして大敷の人たちとのご縁を感じられた初日でした。その他の日には、網抜きから網入れと最初は全く想像がつかない仕事に従事しました。

シマメが入ったとのことで、網のメンテナンスタイミングを早めてイカの採れる漁をできるだけ増やそうという流れになりました。

少し小話ですが、生鮮スルメイカの水揚げ高は12月地点で約90%減少と非常に不足していることもあり単価が高く気合いが入ります。そして、業務の中で大きな変化がありました。

それは、私と同じ複業組合から1人メンバーが大敷の現場にやってきたということです。

私がちょうど去年に入ってきてちょうど1年経つタイミングでもあり、最初の時の不安であったり何をどうしたらいいのかわからない状況などが容易に想像がつきます。

まだ私にできる仕事の数は限られていますが、手が空いた時にしてもらえると役に立つであろうことなどをこまめに共有したりしています。1年が経ったということもそうですが、同じ職場に複業のメンバーがいるという状況を見て、まずは複業という組織がこの海士町で1周回ったのだなと感じました。

驚いたこと

驚いたことは、やはり新年一発目の漁でシマメが採れたことでしょうか。

少し遡ると、私事になりますが久々に本土に戻って散財してしまった金額に自分でも相当驚きました。

島暮らし初期の反動かなと思いつつ、職場の人も同じことを言っていて年末は仕方がないものだと言い聞かせています。言い方を変えると、本土のショッピングなど消費行動の楽しさがより一層、際立つようになったのかもしれません。そういえば、年末の帰省の際に、1年のご褒美にと少しいい宿に泊まった際に刺し身が出てきたのですが、3種類くらいの魚の刺し身がそれぞれ3切れづつくらい出てきた時には「あれ、これだけ?」と相当びっくりしました。

漁師という生活や海士町でのおすそ分け文化によって、魚や野菜がお皿にふんだんにあるような日々がいかに特殊なものであるかと痛感しました。

最近どうですか

ある意味で、海士町という場所にホッと落ち着いているというか少し馴染んできたかなーと思うようになりました。最近どうだろうかという、この問いが海士町に来た当初は刺激が沢山あったこともあり書き始めるとキリがなかったことを思い出しました。

生活や仕事面で順応してきたり、特に子育てが慌ただしい中に自分なりに満足できていることが大きいかもしれません。実家に帰省した際に、不思議とですが「早く海士町に戻りたい」という気持ちと「今のうちに本土生活を楽しみきらないといけない」という強迫観念にも似た何かが湧いていました。

ないものはないの良さをしみじみ感じます。本土で本を沢山買ってきたので、外に出かける機会も限られてきているので冬の夜中の読書が贅沢な時間です。

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飯古定置 について

書いた人

雪野 瞭治

兵庫県出身。海士町複業協同組合のAMU WORKER第1号。技術と科学の視点から、興味の赴くままに挑戦してます。

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