AMU JOURNAL

はたらく人の声

今回で2周目の漁師ということになります。

2021.11.19

書いた人 ― 雪野 瞭治
はたらき先 ― 飯古定置

今週の業務

10月から大敷の仕事を週3日行う生活になりました。

今年の1月から3月にかけて漁師の仕事をしていましたが、今回で2周目の漁師ということになります。最初に始めた時と比べて、ある程度の仕事の意味など分かっている状態からのスタートになるのですごく気が楽でした。

改めて複業というものの真価は2周目に同じ職場に行くタイミングで発揮されるという側面があるような気がします。本題ですが、今週は通常の漁の他に、網入れという仕事を行いました。

この網入れというのは、わりかし頻繁に行う作業ではあるのですが、今回のタイミングでは1年に数回しか変える機会のない仕掛けを扱ったので本当に珍しい仕事となります。

今回、交換した仕掛けの網の構造は相当に複雑なので、仕事の全容を把握するまでは数年かかるくらいに大変な作業のようで頻繁に作業の手順をみんなで確認していたりする様子が印象的でした。海の上でしかもエンジン音もそれなりにうるさいので言葉そのものだけでなく、身振り手振りでコミュニケーションをしながら正確に仕事をしている様子は思い返すとすごい状況だなと思います。

ちなみに、この網入れ作業は複雑でありつつ、中途半端に切り上げることもできないので通常の業務時間内に終えることは相当難しいのですが、今回は段取りや天気、海の状況などのコンディションが最高で定時内に終わりました。
みんな、「奇跡だ…」と話をしていて、「◯◯さんの、段取りが良かったからだ」とか、「あそこで、◯◯さんが気づいて動いていたのが良かった」等々、互いに称えあったりしている様子を見て、改めていい職場だな…と染み入りました。

驚いたこと

つい先日、地区の運動会があり、その雰囲気というか全体感がすごく印象的でした。

というのも、田舎の地区の運動会というとお年寄りの方が多いイメージであったり、言葉を選ばずにいうと敬老会のようなものになるイメージがあったのですが、20代くらいの若者が1/3くらい占めていて、独特の活気がありました。
年齢にとらわれず自然体で応援しあっていたり、ハイタッチしあう様子などが印象的で、いい具合に交流が起きているのだとしみじみ感じました。

私の娘も運動会で参加できる競技が用意されていて、とにかく温かい雰囲気で全体の競技が行われているのが良かったです。各競技を終えるとどの順位であっても景品が出るのですが、その景品のチョイスがキッチン泡ハイターであったり、カレーのルー、ラップなど生活の実利に直結するものだけで構成されていることがものすごく良かったです。じゃんけん大会なども最後にあったのですが、その景品が地区の大きな米農家(法人)のお米であったりとこの地域ならではの要素もしっかりとあって、爽やかな田舎の良さを丸ごと感じれました。

最近どうですか

最近嬉しかったことがあって、久々に話した人から痩せたと言われるようになりました。笑

筋肉も少しづつ戻ってきて自分を好きになれますね。

仕事って、お金を稼いだり、自己実現の一環として、はたまた、流れやご縁で仕事をしていたなど、色んな捉え方や背景があると思いますが、健康な体作りをするという側面で仕事を組み込むというのも大切だと思います。

冬にかけて痩せて、夏と秋で太っていく不思議なサイクルが回っていきそうですね。

そういった意味で、改めて田舎×複業の面白さを再発見しています。その一方で、悩んでいることも沢山出てきました。

漁師という職業柄、朝早く起きる必要があります。

これは案外、大丈夫なタイプだったのですが、娘が1歳7ヶ月になり体力もついてきたからか寝る時間が遅くなってきています。

3月までは、娘も20時には寝ていたので気にしていなかったのですが、今では22時になっても暴れていたりすることもあり、明日の朝大丈夫かな…?といつもヒヤヒヤしています。笑

そんなこんなで、改めて全ての親の偉大さを痛感せずにはいられません。

育児の大変さを全力で痛感しつつも、海から上がってくる朝日を船上から見ている時には「なんか、こういう人生っていいな」と浮かび上がってきて、我ながら忙しい感情だなと思います。笑

「きついこともたくさんあるけれど、海や自然に癒やされてやっていけるもんだ」という類いの言葉をどこかで聞いたのですが、親となった今、より一層にそのなにかが分かってきたような気がします。

この記事のはたらき先

飯古定置 について

書いた人

雪野 瞭治

兵庫県出身。海士町複業協同組合のAMU WORKER第1号。技術と科学の視点から、興味の赴くままに挑戦してます。

雪野 瞭治 の他の記事