AMU JOURNAL

はたらく人の声

いったい何屋さんなんだろう。

2022.9.27

書いた人 ― 空閑 みなみ
はたらき先 ― 隠岐桜風舎

最近の業務

7月から隠岐桜風舎の『つなかけ』という、お土産とパンを販売しているお店で働いています。海士町に移住する前から、パンや菓子づくりに興味があったため、派遣先として送り出してもらいました。

日々、上司の作業を見て、手を動かしながら地道に仕事を覚えています。週報の更新が滞り、あっという間に3ヶ月経っていますが、まだまだ仕事には慣れていません。

建物は隠岐神社の目の前に佇んでおり、パンを買いに来る地元の方はもちろん、観光客の方も多くいらっしゃいます。

業務内容としては、主にパン・土産菓子の製造を行っています。最近では、配達の仕事もするようになりました。島内の商店や、港のお店に行った際、お店の方やお客さんとパンについて会話をすることが時々あります。運ぶだけで終わるのではなく、直接意見を聞くことができるのは、島における人間関係の近さゆえかもしれません。気にかけてくださってありがたいすし、作り手として気持ちが引き締まります。

つなかけは、「ときわベーカリー」という、島で唯一のパン屋さんを経営されていた山中さんの事業を継承しています。

山中さんは、今年の6月に引退されたため、製パンやときわベーカリー時代の詳しい話を直接伺うことはまだできていませんが、上司や店頭で働いている方から少しずつ話を聞くとほっこりします。引退された現在でも自宅にて食パンの研究をされているそうで、パンへの愛情を感じます。

一番驚いたこと(仕事と暮らし)

つなかけでは、普段パンを作ることがメインの作業になりますが、季節の行事が迫ってくると、蒸し饅頭の予約が多く入ります。筆者はお盆と敬老の日を経験しました。蒸し饅頭の色や包装の仕様が行事ごとに変わることは興味深いです。ちなみに、お盆は黄色と白、敬老の日はなじみのある紅白でした。

蒸し饅頭の予約が入ると、製造のスケジュールは丸一日蒸し饅頭づくりになるため、パンまで作る余裕はありません。どちらも手間と時間がかかります。よって、パンを店頭に並べることができない時もあります。こうしたスケジューリングに対しては試行錯誤している最中です。

当たり前なことですが、作るものによって工房の香りが異なります。こうした変化によって、今日はパン屋・和菓子屋といった心持ちになります。そうして、ふと、何屋で働いているのかわからなくなることがあります。言い換えると、つなかけの製造は幅広い商品を抱えているということになりますし、この状況に一番驚いているかもしれません。他にも、誕生日ケーキや焼き菓子もつくっています。

最近どうですか(暮らし)

海士町ではイベントが至る所で開催されます。そこで、趣味の菓子・パンづくりが功を奏して、知人の誘いで1日限定の店を開くことが増えてきました。

先日は明屋海岸という壮大な岸壁がある場所にて、ポルカのイベントがあり、ピタパン屋を出店しました。普段の仕事に加えて、帰宅後や休日に準備をするため、手を休める暇がなく大変なのですが、なんだかんだで作業を楽しんでいたと思います。

ポルカイベント当日は、ポルカバンドの軽快な演奏はもちろん、主催者の会場設営も素晴らしく、来場者が音楽に合わせて踊っていたりと、目前に広がる自然も相まって、かつてなく原始性を感じる空間でした。

次は毎月第一土曜日に開催される、まるどマーケットにて台湾料理の店をする予定が控えています。

お菓子を売ったり、ピタパンを作ってみたり、そして次は台湾料理。一方、仕事では製パン(?)。

もう何屋さんなのかわかりません。

することが多くて、体力的に自分があと2人欲しいですが、とりあえず無理のない範囲で楽しんでいこうと思います。

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隠岐桜風舎 について

書いた人

空閑 みなみ

1道5県出身。大学で映画学を専攻した後、新卒で組合へ。最近は、"編むこと"に縁があるようです。

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