AMU JOURNAL

はたらく人の声

安心する瞬間というのは、日々の生活の人と人のつながりの中にあるのだと思いました。

2023.2.1

書いた人 ― 青木 美伽
はたらき先 ― CAS凍結センター

CAS凍結センターで働いた4か月半を振り返って

この1月末で最初の事業所であるCAS凍結センターを終え、2月から次の事業所へ行きます。
 CAS凍結センターでは最初の2ヶ月を製造業務、残り2ヶ月半を営業業務で働かせていただきました。取り扱っている商品の下処理から出荷までの一連の流れを見させてもらったことで、どうやって作られているのか、どんな形で管理されているのか、大変なところも含めて、実際に現場で働いて初めてわかることが本当に沢山あり、勉強になりました。CAS凍結センターの商品は、丁寧にこだわりを持って作られており、添加物が入っていません。身体にも環境にも優しい商品で、賞味期限シールの原材料名表示を見ると、驚くほど健康的です。自然にとれた水産物そのままの色や形で勝負し、その自然のままを大切に、余分なものを入れずに加工するCASのみなさんが本当に素敵だと思いました。それだけではありませんがCASの商品の価値を自分の体験として知っている、自分の言葉で話すことができる、それは私自身にとっても、複業組合の職員としても、1つの価値になると思いました。

また、ふるさと納税や楽天スーパーセールが重なった怒涛の12月もありましたが、その忙しさを職場の方と一緒に乗り越えたことで、より深く職場の方と関係を築くことが出来たのではないかと感じています。最後は、職場の方一人一人の方が声をかけてくださって、またいつでも帰ってきてくださいと言っていただきました。働く姿勢を評価してくださり、私を労働力の一人としてではなく、一人の人間として、私の存在を必要としてくださったことを感じ、それが本当に嬉しかったです。寂しさや心細さはあります。仕事にも慣れて職場の人とも関係ができたところで、次の事業所へ行くというのは、またゼロからになるので、正直大変です。けれど、次はどんな方に出会えるのか、どんな仕事が出来るのか、ワクワクする気持ち、楽しみな気持ちを大切にして頑張っていきたいと思います。

驚いたこと

最近驚いたことは、海士町にお風呂屋さんがあったんだ!ということです。3月まで複業組合でアルバイトをされている、刑部さんに定例会のときに教えていただいて知りました。「保健福祉センターひまわり」というところに、プールとサウナ、温泉があり、一般の方も利用できるということで、早速、刑部さんと一緒に行ってきました。一回のお風呂の利用料が300円。ちょっと体が冷えて、ゆっくりお湯に浸かりたいとき、気軽に利用できるので、とてもいいなと思いました。

結局1時間半くらい、2人でお話しながらゆっくり温かいお風呂に浸かりました。刑部さんは高校のときから約5年ほど海士で生活を送られていて、海士のことをとてもよく知っていて、沢山の人とつながりがあるのを感じました。また私の話も親身になって聞いてくれたり、色々なことに疑問を持ち、真っすぐに自分の人生と向き合っている方なのだと知りました。本が好きという共通の趣味でお話が出来て、とても良い時間を過ごすことが出来ました。

最近どうですか?

去年の暮れに、アコースティックギターを購入し、練習をはじめました。今ではギターの練習が生活の一部になっています。海士町へ来て、日須賀の海を見たとき、自然の中でギターを弾きたいと思いました。最近は天気が悪いので、休みの日に海士町にある「あまマーレ」という場所を利用させてもらっています。「あまマーレ」は、海士で暮らす楽しみが広がっていくことを目的に運営されています。趣味をキーワードに「あそぶこと、つくること」を交流や学びにつなげる遊び場だそうです。旧けいしょう保育園を活用したコミュニティ施設として、誰でも無料で利用できます。

すぐそばにある山に囲まれた場所で思うままにギターを奏でて、窓の外を見ると、雪の降り積もった真っ白な中で、小さなお子さんとそのお母さんが外で遊んでいるのが見えました。日差しが差し込み、この木造の建物が優しく包み込んでいるのを見たとき、静かにゆっくりと時間が流れているのを感じました。言葉にできない幸せな気持ちになりました。まだ行ったことのない方、楽器が好きな方やお子さんがいらっしゃる方など、ぜひあまマーレに行ってほしいなと思いました。また一つ大好きな場所が増えました。

後、最近仕事から帰ってきたときに、隣の家のオレンジ色の灯りを見た時、ホッとしたと同時に懐かしいような気持ちになりました。誰かが住んでいる場所に帰れること、それは本当に当たり前のことではないのだと、時々だけれど、お互いにお裾分けしあう、つながりがあり、顔の知っている人が近くにいることが素直に嬉しいと思いました。小さなことかもしれないけれど、つながりをもつことが難しくなっている世の中だからこそ、安心する瞬間というのは、そういう日々の生活の人と人とのつながりの中にあるのだと改めて思いました。

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CAS凍結センター について

書いた人

青木 美伽

三重県出身。2022年6月に放送された「ガイアの夜明け」を見て、海士町複業協同組合を知る。AMU WORKERとして島の人と働く姿に憧れて移住を決意。

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