AMU JOURNAL

はたらく人の声

“はたらく”とは、”はた(傍)をらく(楽)に”することだ。

2021.4.30

書いた人 ― 大森 玄己
はたらき先 ― CAS凍結センター

今週の業務

太田 さて、1週間お疲れ様でした。この一週間の業務どんな業務でしたか。

大森 はい。主に週の前半は注文に合わせて商品を何個って仕分けていくような出荷業務、後半は水産加工の現場にも入って生のイカを加工したり、CASっていう冷凍加工を経た食品を真空パックして梱包したりっていう業務を行いました。
基本的に肉体労働なので体はめっちゃ疲れますが、運動不足の自分にはちょうどいいかな、て感じです。まだまだほんとにざっくりとですが、生の海士の食材がCAS冷凍の商品に変わっていくまでの流れは、この一週間でなんとなく見れたかな、という感じです。

太田 素晴らしい。

今週で一番驚いたこと感動したこと

大森 何よりすごくすんなり職場に入れた、というのはびっくりというか嬉しかったですね。前の仕事を辞めてから半年ぶりの職場だったので、仕事のリズムを掴めるかなっていう不安とかもあったんですが、スムーズに始められていい1週間でした。

太田 そうなんだ。いいスタートを切れたようでよかったね。

大森 はい。なんというか、ここだと仕事と暮らしがそんなに遠いものでもなくて、島の暮らしの延長線上に仕事がある感じがして。

太田 うんうん。

大森 もちろん仕事は仕事ですけど、毎日の暮らしの続きで一緒に作業してるっていうような感じもあって。多分、同僚であると同時に、同じ島のコミュニティの一員、という感覚もあるからなのかな、と。そんな雰囲気の中で入れたから、あまりがちがちに緊張しなかったんだと思います。

太田 なるほどね。

大森 あとやっぱり、非常によく目をかけていただいたな、とも思います。どの作業だったらやりやすいかを考えて振ってくださってるな、とか、進捗度合いを見て先に準備してくださってるな、とか色んな気遣いをすごく感じて。そんな時に、前どこかで聞いた「"はたらく"とは、"はた(傍)をらく(楽)に"することだ」っていう言葉を思い出したんですね。

太田 ほう。面白そう。

大森 傍=周りの人を楽にするのが働くってことだと考えた時、まさにそんな風に受け入れてくださってるな、と。だから、自分も週の後半になるにつれて、どうしたら周りが楽になるか、もっというと次の作業をやる自分が今どういう作業をやれば楽になるかとか、そういう目線を意識してやってみようと思えるようになりました。それもあっていいスタートをきれたのかな、と思います。

太田 視野が広いね。

大森 いや基本視野狭いんですが笑、なんか嫌でも広がるというか。CASみたいに下処理から出荷まで工程がしっかり分かれてる仕事だと、やっぱり意識して全体を繋げて考えないと、ちゃんとした商品をお客さんの元に届けられないんだな、と学んで。例えば「イカを切る」一つにしても、最終的な商品がイカの食感を楽しんでもらうようなものだった場合、縦に切るか横に切るか、繊維を残すか残さないかっていう部分が非常に大事で。

太田 うんうん、確かに。

大森 そういう意味でも、傍を見ながら分からないことを質問して作業していくと、全体から見て特に集中してやらなきゃいけないところっていうのが、ちょっとずつでも見えてくる。

太田 どんどん仕事の解像度が上がっていくイメージだね。

大森 そうですね。ひとりで完結しないパスワークで繋いでいくタイプの、まあ大方の仕事そうだと思うんですけど、そういう仕事なので、一つ一つの工程がどうして存在するのか、とか、今自分に求められてる役割は何か、とか疑問を持ちながらやるのが大切なのかな、と。言うは易しですが、そうしていくことで何か気づきを得ることもできるのかな、と思っています。

太田 視野が広いっていうのはそういった見方もあるよね。全工程が見えてるって部分と自分がどう見られているかが見えてるって部分と。

大森 そうですね、確かに。

太田 すごいね。いいね。

大森 いい感じですか。

太田 いい感じというかなかなかその一杯一杯になると自分のことしか見えなくなるし、目の前のことしか見えなくなるんだけど。

大森 もちろんそれはもう自分も毎日やってますよ笑。後からあれいらなかったなって気づいたりとか、時間違うとこにかけちゃったなって思ったりとかいっぱいあって。本当にだからトライアンドエラーでちょっとずつ気づいていくんですけど、そういうのも含めてやれるというか。トライアンドエラーを大目に見つつ、全体の工程が遅れないようにマネージしてもらえてるなっていう安心感があって。当然ミスは少ない方がいいのでもっと気をつけないとですが、その点でも本当に色々と勉強になった1週間でした。

太田 素晴らしい。

大森 でた、素晴らしい。

最近どうですか

大森 とても穏やかで幸せですね。

太田 でた、幸せ。

大森 ほんと地域の方達によく目をかけて頂いていて。特にお隣の商店さんは地域みんなの拠り所になってるような商店さんなんですけど、買いに行くたんびになんかくださって。
最近なんて家の窓トントントンってして窓からめかぶたんまりくれたりとか。もう何買ってるのか何貰ってるのかもわからなくなってきてます笑。

太田 すごいね笑。

大森 本当にそこは自分もそうですけど妻の方がすごく喜んでいて。妻はリモートワークで基本的に一日中家にいるので、やっぱり島の方達と知り合うのは難しいかなって話をしてたんです。だから、在宅しながらでも地域の方達とコミュニケーションとれてるのはほんとによかったね、っていつも話してます。

太田 それぞれいい感じで島の人達と関われてていいね。

大森 ほんとにありがたいです。あと、全然話変わるんですが風鈴をつけたのがすごく今週よかったです。是非皆さんにもつけて欲しい。風鈴あはれです。めっちゃ穏やかになってよきです。

太田 おお風鈴、良さそう。では、どうもありがとうございました。

大森 ありがとうございました。

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書いた人

大森 玄己

兵庫県出身。東京の海運会社で3年半ほど主に人事として仕事をしながら、半年間だけNPOの活動に参加していました。

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